2015年02月06日

税務署からのお尋ね

 今年も個人確定申告の時期が近づいて参りました。(所得税の還付申告や消費税申告は毎年1月1日から、贈与税申告は毎年2月1日から始まっていますが)
 自分には関係無いと思っていらっしゃる方も多いと存じますが、所得税や贈与税の課税の特例・非課税の制度は確定申告を適正に行うことが条件になっているものも少なくありません。
 所得税・贈与税・消費税でお悩みな方はぜひお早めにご相談ください。

 ちなみに確定申告の中でもご自身での申告は難しかったり、悩みが多かったりする事例に不動産の売買があります。
 確定申告をどうしようかと悩んでいる最中に税務署から『お尋ね』が届くことがあります。
 代表的なお尋ねには、「譲渡所得の申告についてのお尋ね」や「お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね」などがありますが、いずれの場合もやはり前触れもなく(不動産売買をされているはずなので前触れはあるのですが…)税務署からハガキや書類が届くとビックリされて慌ててしまいますが、今回はこの2つのお尋ねの概要をまとめてみたいと思います。

【譲渡所得の申告についてのお尋ね】
 土地や建物を売却し法務局へ所有権移転の登記をすると、税務署にもその登記情報が知らされる仕組みになっています。
 そこで、前年中に売買を原因とした登記がされている場合については、所轄の税務署からこのお尋ねが送られてくることがあるのです。
 購入時に要した取得費と譲渡費用が売却価額を上回るような場合には、必要事項を記入し堂々と申告不要と回答して返信すればよいのですが、取得費と譲渡費用より売却価額が上回る売却益(譲渡所得)に対して所得税、住民税が課税(分離課税という方法です)されます。
 譲渡所得に関しては金額も大きくなることが多く、計算方法や特例の適用も難しくなることも多いですので、お早めに税務署や税理士へご相談(逆お尋ねですかね)下さい。

【お買いになった資産の買入価額などについてのお尋ね】
 こちらも税務署は登記情報や不動産会社・不動産仲介会社・建築会社からの資料等を参考にこのお尋ねを送っているようです。
 また土地や建物を購入した場合、次のような税金的(税務署的?)な着眼点がありますので、このお尋ねによってこれらの内容をチェックしています。
 @資金調達の割合と登記上の共有持分に整合性があるか。
 A過去の収入に比べ、自己資金が多すぎないか。
 B親子間など親族間での金銭貸借が贈与に該当しないか。
 C他の資産の売却代金の充当が適切に行われているか。

 不動産の購入等の際には贈与税の申告等が必要になってくるケースもあります。
 例えば、ご相談の際にもよく耳にしますが購入資金を親族間で借りたことにしているだけで、返済計画がなかったり、返済の実績がないような場合には、上記B着眼点から多額な贈与と認定されることもありますので注意が必要です。
 
 冒頭にも記載しましたが、税金の特例は申告期限内に適正な申告をすることで初めて適用されるものがほとんどですので、不動産の売買等があった際には、今一度注意をお願いします。

 今年も適正申告を心掛けて一生懸命頑張ります!!
posted by すぎうら税理士事務所 at 17:03| Comment(0) | 税理士業務備忘録