2015年07月10日

平成27年分の路線価発表!!土地の一物四価(いちぶつよんか)って?

例年通り国税庁は、7月1日に相続税(贈与税)の基準となる平成27年分の路線価を公表しました。
今回は、このたび発表となった路線価と土地の価格についてまとめてみたいと思います!

まず平成27年分の路線価についてですが、全国的にはこれで7年連続の下落となりましたが、愛知県においては連続して上昇しています!!
特に名古屋中心部の最高路線価の上昇率は前年比10%前後、その他の名古屋市内やその周辺地域は3%前後となっており、平成27年1月1日からの相続税の基礎控除の引き下げと相まってこの名古屋圏においては相続税申告の必要な方が増加すると予想されます。
『相続税はお金持ちの話〜』と言ってはいられませんので、まずは相続税試算(シミュレーション)をぜひご依頼ください!!
アスクル相続試算チラシ.png
相続試算チラシ.pdf
さて、ここからは土地の価格の種類についてまとめていきます!
土地の価格には、その評価者や用途等によって大きく分けて4つの種類があります。

@公示価格(100とすると)
・・・地価公示法に基づき、国土交通省の土地鑑定委員会が毎年1回(3月中旬)公示するその年1月1日時点での標準地の価格です。これを補完する意味で地方自治体が9月中旬にその年7月1日現在の基準値の価格を基準地価として発表もします。
A実勢価格(110程度)
・・・実際の取引価格を言い、公示価格に売り手等の利益や手数料が加算されているイメージです。
B路線価(相続税評価額)(80程度)
・・・国税庁が毎年7月1日に全国の民有地の宅地等を対象に、公示価格や売買実例価額や不動産鑑定士等による鑑定評価額、精通者意見価格等を基として算出した価格の80%により評価し、発表しています。
評価時点はその年1月1日と公示価格と同じですが、評価点(路線)が多いので7月になってしまうということのようです。
ちなみに、平成27年度の路線価は平成27年1月1日から12月31日までにお亡くなりの方の相続財産の評価に使用します!!
C固定資産税評価額(70程度)
・・・各市町村(東京都23区の場合は都)が固定資産評価基準(固定資産税路線価など)に基づいて評価し、土地課税台帳に登録した価格です。3年ごと(平成は3の倍数の年)に評価替えが行われ、納税通知書(納付書)に添付されている「課税資産明細」にも記載されます。
土地の固定資産税評価額は、公示価格の70%程度が多いです。
ちなみに固定資産税評価額は、固定資産税や都市計画税はもちろんですが、「不動産取得税」や「登録免許税」の計算にも使われます!!(もっと言えば倍率地区や家屋については『相続税』の計算でも使います!)

このように土地の価格は色々な種類がありますが、相続等のご相談のさいにお客さまからよく聞く価格はCの固定資産税評価額が多い気がします。毎年ご自身の手元に届く固定資産税の納付書で確認が出来るからだと思いますが、実はこの金額はBの相続税評価額よりも10%近くも安めに設定されているということを覚えておいてください。
とにかく相続税や争続対策は事前の相談やシミュレーションが一番です!!
ご家族だけではお話がしにくいこともあると思いますので、税理士等の専門家へお気軽に相談してみてください。
posted by すぎうら税理士事務所 at 00:00| Comment(0) | 改正税法等

2015年06月22日

直系尊属からの贈与課税について 〜非課税になる場合〜 No.3

今回は直系尊属(祖父母)からの贈与の課税関係の第3弾!!
数年前から話題になっている教育資金贈与の非課税についてまとめますので、ご参考になさって下さい!
一括贈与が可能という点が、以前に紹介した「扶養義務者からの通常必要と認められるもの」とは違ってわざわざ設けられた制度です!!

◇教育資金贈与ついて
 ○贈与者:直系尊属(祖父母や父母)
 ○受贈者:教育資金管理契約を締結する日において30歳未満
 ○対象資金:受贈者の教育資金のために使用すること。
 ○非課税限度額:受贈者ごとに1500万円
 ○申告要件:
  受贈者は、教育資金非課税申告書を金融機関に預入等期限までに提出をしなければなりません。
 ○必要書類:
  イ.贈与の契約書、ロ.受贈者の戸籍謄本(直系関係を明らかにするもの)、ハ.受贈者の住民票
 ○贈与税の課税対象日:
  @受贈者が30歳に達した際の残額、
  A口座残高がゼロになり合意解約した場合の残額(これはちょっと分かりにくいですね…。つまりは教育資金以外の目的で口座から引き出したことがあるということでしょうね。)
  ※ちなみに、受贈者が死亡した場合にも教育資金管理契約は終了しますが、この場合は贈与税課税はなく、口座残高は受贈者を被相続人とした相続財産になります。
 ○贈与者の相続との関係:教育資金管理契約中の贈与者の死亡による相続税の計算上は、生前贈与加算や精算課税の加算の適用はありません。
  管理契約終了の際に贈与は生存しており、その後死亡(相続)という場合には残額が加算されるケースがでてきます。

この教育資金贈与について銀行マンの友人から問い合わせがありました。
制度適用開始の手続きを金融機関等が行い、現状ではまだ管理契約終了後の贈与課税のケースが少ないため我々税理士からしてもまだ馴染みがない制度ではありますが、金融機関等では結構相談や事例があるようです。
興味のある方は、ぜひご相談ください。
posted by すぎうら税理士事務所 at 10:11| Comment(0) | 税理士業務備忘録

2015年05月15日

直系尊属からの贈与課税について 〜非課税になる場合〜 No.2

前回の続きで、直系尊属(祖父母)からの贈与の課税関係、特に今回は措置法と呼ばれる期限付きの特例制度のうちもっともよく用いられている住宅取得等資金についてまとめますので、ご参考になさって下さい!

◇住宅取得等資金ついて
○贈与者:直系尊属(祖父母や父母)※配偶者の祖父母や両親は含みませんので、ご注意ください!
○受贈者:
イ.日本に住所を有するなど、ロ.贈与時に直系卑属(子や孫)、ハ.贈与を受けた年の1月1日に20歳以上、ニ.贈与を受けた年の合計所得金額が2000万円以下
○対象資金:受贈者の居住の用に家屋の新築等のための金銭※贈与を受けた年の翌年3月15日までに使用することが条件となります。
○居住用家屋:イ.床面積(登記簿上)が50u以上240u以下、ロ.床面積の1/2以上が専ら居住用
○非課税限度額:300万円〜3000万円 ※住宅の性能・贈与年・適用消費税率によって適用される非課税枠が異なりますので、ご相談ください!
○申告要件:贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに納税地の所轄税務署へ必ず申告が必要です!!
○必要書類:イ.計算明細書、ロ.受贈者の戸籍謄本(直系関係を明らかにするもの)、ハ.受贈者の住民票、ニ.登記簿謄本、ホ.契約書等のコピーなど

以上のように、非課税の適用には様々な注意点がありますので、お早めにご相談ください。
次回は措置法の特例制度をさらに見ていきたいと思います。
posted by すぎうら税理士事務所 at 20:26| Comment(0) | 税理士業務備忘録